Arashiology

大野担の嵐オタクによる嵐論

終章

Conclusion おわりに

 

解散という嵐の結論は、事務所に報告して話し合うなかで、休止という形に落ち着いた。

当初は、「休止と言っても、実質的に解散でしょ」という意見も多かったし、今でも、「実質的な解散」を前提としたウェブ記事をたまに見かける。

確かに、大野くんが活動休止中に何を思うかが分からない以上、休止から解散に至る可能性はゼロではない。もちろん活動を再開する可能性もゼロではない。

 

「嵐の宝箱の鍵は大野くんが持っている」とファンがツイートするように、嵐の復活は、今のところ大野くん次第だろう。では、大野くんは芸能界に戻ってくるだろうか。

 

大野担オタクの願望もだいぶ入っているが、私は、大野くんが芸能界に戻ってくる可能性はそこそこあると思っている。その根拠はいくつかある。まず、大野くんが「ビジュアルや体型をキープして、気を付けて休む」と言っていること。そして、「(退所じゃなくて)お休みでいいんじゃない?」という事務所の提案を受け入れたこと。さらに、翔くんが「再開はあります」と断言していること。

 

大野くんはすでに一般人の一生分くらいは稼いでいると思うが、活動休止時点でまだ40歳だ。ほかに夢中になれる仕事でも見つければ話は別だが、リタイアするには若すぎる。ストイックに人生の意味を追究してきた彼が、その年齢からリタイア生活に入ったら、時間を持て余すだろう。しかも、20年以上も芸能界で仕事をしてきた人が、他の仕事をゼロから始めようと思うだろうか。

 

芝居落ちのオタクとしては、また大野くんのお芝居が見たいのだけれど、少なくとも大野くんは、芸能活動を何年休止しても、ダンスだけはしたくなるのではないかと予想している。それが大野智の原点だから。

 

大野くんは会見で、「仕事に疲れちゃったとかではない」と言っていた。

彼が芸能活動を休むのは、南の島で昼寝をしたり、釣り三昧の生活をするためだと思っている人も多いようだが、少なくとも私は、彼が休むのは自我を取り戻すためだと考えている。だから、大野くんが「嵐の大野智」ではなく、ただの「大野智」になって、自分の足で歩いている感覚を取り戻し、これからも自分の足で歩いていくと確信できたら。その時には、きっと。

 

ただ、大野くんが芸能界に戻り、嵐が活動を再開するとしても、その嵐は「宝箱に入った嵐」とは違うものになるのではないだろうか。それぞれ年齢や経験を重ねて、今と違う状況で再会する嵐が、一度取っ払った制約を、再び自分たちに絡めるとは思えない。寂しいけれど、復活する嵐は肩を組んで並走する嵐ではなく、それぞれの道を交差させながら歩く嵐なのかもしれない。

 

お休みに入る嵐の「置き場所」を探して始めた私の考察も、ずいぶん長くなった。

ただ、嵐や大野くんが語らない部分を想像し、繋げる作業をしたことで、自分の中でごちゃごちゃしていた考えや気持ちはだいぶすっきりした。

 

私は、心の本棚に嵐の宝箱を置き、その隣に新しい嵐の置き場所を空けて待ってみようと思う。

大野くんが、嵐が戻ってきてくれる可能性がある限りは。

嵐が変わらず自分にとって魅力的である限りは。

まだ、先のことは分からないけれど。

 

願わくは、2020年末まで、ひとつの傷もつけずに嵐を宝箱に閉じ込められますように。

そして嵐にでっかい感謝を。

2019/4/9